字體:小 中 大 | |
|
|
2018/07/29 20:38:45瀏覽39|回應0|推薦0 | |
動きやすさを重視した防具を身につける。多少の硬貨を入れた革の袋や解毒の薬等々を腰につけたポーチにいれ、ベルトに投擲用ナイフをいくつか吊るした。 纏う真っ黒なマントは、防寒Victoria Dockside。ただし撥水加工や防火加工、それからある程度の魔法ならば弾くようにと魔方陣を組み込んである。「……これで準備はできました」 家具を残して、全てのものがなくなったギルドの自室は、がらんとしていて物寂しい。 最後に机の家に置いたままだったギルドカードを手に取った。銀髪の人物──自分の写真がつけられたそれの、名前欄に書かれているのは、『リューティス・イヴァンス』という名。 それは自らが捨てた産みの親がくれた名であるが、魔人に『サキカ』という名が知られていた以上、あの名を名乗り続けるのは危険である。 幸い知られていなかったらしい『リューティス』という名を名乗ろうと決めたのは、両親のくれた『リューティス』という名がこのまま薄れていくのが嫌だったからであるが、新しい名前を考えるのが面倒だったという理由もある。「……また戻ってきます」 誰に告げるわけでもなく、ただ自分に言い聞かせるように呟いて、サキカ──否、リューティスは、扉に手をかけた。. | |
( 興趣嗜好|偶像追星 ) |