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2018/03/17 18:22:34瀏覽179|回應0|推薦0 | |
"日暮の村は少し賑やかだった。
家の中から親が子供を呼ぶ声が聞こえ、子供達はその声がする家へと帰って行く。
夕食の匂い、なのだろうか。
香ばしい良い匂いがする。
ぐうぅぅ……
隣を歩いていたレイトの腹から空腹を訴える音が聞こえてきた。
思わずクスクスと笑うとレイトは顔を赤くする。
「腹減ったんだよ!悪いか!!」
レイトはぷいっとそっぽを向く。
「ごめんごめん……」
サキカは笑いをおさめた。
しかしまだ口元は笑っている。
サキカは拗ねたような顔をするレイトが、面白くて仕方がなかったのだ。
しばらくしてガイアがこじんまりした宿を見つけ、皆は中に入った。
料金が手頃でなかなか良い宿だったため、疲れているのもあってかすぐにここに泊まることになった。
「男三人はこっち、女四人は向こうを使ってくれ」
料金を先払いしたあと、宿屋の三十過ぎの女主人に案内された部屋でそう告げられた。
(男三人、女四人……?)
明らかに人数が変である。
サキカ達は男がサキカ、ガイア、レイト、アークの四人で、女が有舞、リリス、ユリアスの三人のはずだ。
皆が首を傾げていると女主人が問いた。
「どうかしたのかい?」
ガイアが困惑気味に口を開く。
「俺達、男が四人で女が三人なんだが……」
すると今度は女主人が首を傾げた。
「女は四人いるじゃないか。……ほら、一人、二人、三人、四人……」
女主人は有舞、ユリアス、リリスの順に指を差し、最後にサキカを指差した。
「…………」
しばらくの間沈黙が広がる。
その沈黙を破ったのはガイアの笑い声だった。
「……ぶっ……はははははっ!!」
腹を抱えて笑うガイアにつられるように、レイト、アーク、有舞、リリス、ユリアスも笑い出す。
サキカは一人俯いて沈黙した。
「……何か可笑しいことがあったのかい?」
怪訝そうに眉をひそめる女主人を、サキカは顔を上げるとキッと睨み付け怒鳴った。
「僕は男です!!」
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( 興趣嗜好|烹飪烘焙 ) |