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2009/02/04 10:25:39瀏覽508|回應0|推薦1 | |
公務員制度拙速(せっそく草率行事)では改革がゆがむ 公務員制度の改革には二つの狙いがある。一つは「省あって国なし」と言われる官僚の縦割り意識(たてわりいしき科層觀念)を排し、機動力のある組織にすること。二つが官製談合(かんせいだんごう)など業界との癒着の温床となる天下りをなくすことである。 麻生政権はきのう、こうした改革をどんな手順で進めるか、09年から12年までの「工程表」を決めた。 柱は、各省の幹部人事を一元的に動かす「内閣人事・行政管理局」の新設と、早期退職慣行(かんこう)の見直しなどだ。
政府はもともと新組織を09年度中につくる予定だったが、昨秋の首相交代などで調整が遅れ、来年4月以降に先送りした(さきおくり暫緩執行)。近づく総選挙を意識してのことだろう、「改革後退」との批判を避けるため、日程だけでも先に示しておこうというのが工程表だ。 だが、この新組織に人事院の谷公士総裁が猛反発した。新組織に移管される給与(きゅうよ津貼)のランク付けなどの機能は、公務員の労働基本権を制約する代償(だいしょう代價)として、雇用主の政府からは中立の立場で人事院が担うとされた権限であり、こうした移管のやり方では憲法に抵触しかねないというのだ。 甘利行革担当相は「移すのは労働基本権とは関係ない機能だけだ」と反論する。「人事院の組織防衛だ」との批判も政府与党にはある。 工程表によれば、労働基本権の制約をどの程度緩和するか、今年中に政府の検討委員会で結論を出すとしている。ことは公務員の基本的な権利にかかわる。結論を得たうえで、人事院の機能移管を論じるべきではないか。 一方、天下りについては、定年まで働ける環境づくりのための法整備や定年延長、再雇用などといった人事制度を順次、12年度までに整えるという。 天下りをなくすには、人事制度を根本から改める必要がある。表向き、いくら根絶とか、あっせんしないと言ったところで、実態が変わらないのでは意味がない。他方で人事面での魅力が失われ、優秀な人材が集まらなくなるようでは困る。 麻生首相はきのう、官僚OBが天下り(あまくだり官員轉任私人企業重職)を繰り返す「わたり」と天下りの、各省によるあっせんを「今年いっぱいで廃止するための政令を作りたい」と答弁した。つい最近まで、例外的にわたりを認めるとした政令を廃止しないと言っていたのに、豹変(ひょうへん)である。 おかしいことを改めるのは結構だ。でも、工程表づくりといい、突然の答弁変更といい、どこか世間受けを狙った「公務員たたき」のにおいがしないでもない。 どの政党が政権をとろうと、その意思に従う効率的な官僚機構をつくるのが改革の目的だ。大胆さは必要だが、拙速に進めて組織の士気や質が落ちては元も子もない(偷雞不著拾把米)。野党とも協議して、確かな制度設計をしてもらいたい。 |
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( 時事評論|政治 ) |